【本】野村総一郎『うつ病をなおす』
うつ病をなおす
著者:野村総一郎
出版社:講談社(講談社現代新書)
価格:¥700-
うつ病についての基礎的な知識を,偏りなく得ることができる良書。
うつ病の症例,症状,治療法,社会的サポートなど,
非常にバランスよく説明されている。
うつ病についての書籍は数多いが,これ一冊読めばとりあえずは事足りると思う。
章立てと,各章のページ数を見てみよう。
(この「各章のページ数を見る」という方法は,
仮説実験授業の開発者,板倉聖宣さんが発明された方法で,
これを見ることによって,その本がどこに力点を置いているかがわかるのだ)
●第1章:症例からうつ病を見る ■■■30
●第2章:うつ病の症状と診断 ■■20
●第3章:特殊なタイプのうつ病 ■■■■■46
●第4章:うつ病の治療メニュー ■■■■■46
●第5章:うつ病にかからないための性格改造法 ■■18
●第6章:うつ病者への社会的サポート ■10
●第7章:うつ病はなぜ生じるのか ■■17
著者は30年のキャリアを持つ,ベテランの精神科医。
現在,防衛医科大学校精神科教授。日本うつ病学会第1回総会会長。
さすが30年のキャリアがあるだけあって,
うつ病患者の思考・心情を非常によく理解してくれている,という感じを受けた。
うつ病患者の人はもちろん,
うつ病患者の家族,友人,
あるいは,「自分はひょっとしてうつ病かも」と悩んでいる人,
いろんな人に広くオススメします。
【参考】
うつ病になる〈原因〉の1点にしぼってより深く知りたい方は,
以前紹介した,
『人はどうして死にたがるのか』が今でもイチ押しです。