2006年02月17日

「白バラの祈り―ゾフィー・ショル、最期の日々」@シネ・シャンテ

「白バラの祈り―ゾフィー・ショル、最期の日々」という映画を,
日比谷のシャンテ・シネというところで,見てきました。
映画を観るのは,実に1年ぶり。

いい映画でした。

●内容について
この世界は,いい世界だなぁと思った。
醜さも含めてこその美しさ。
どんなに酷いことがあっても,
辛さ・悲しみに満ちていても,
でも(だから?)
それも全部含めて,間違いなく,いい世界。
そのような美しさに満ちた世界。
(それはまぁ,ほとんど信仰の問題なので。
 ぼくは,そういう世界観を獲得した,ということです)

それぞれが,
自分の守りたいものを抱えて生き,時には,そのために死ぬ。

ゾフィを格別美しいとは思わないし
(但,顔と身だしなみは,多いに好みではある。ふむ。
 ………むふ。),
もとい。
ゾフィを格別美しいとは思わないし,
臆病な弁護人や検事,判事を,醜いとか,
「人として劣っている」などとは思わない。

なぜならば,

(1)守りたいものが違えば,
   取るべき行動は自ずと違ってくるから。
  (そこに貴賎を投影するのは各人の自由だが,
   絶対的基準は,特にないと思われる)

(2)時代や環境,立場や来歴が,人を規定するのであり,
   人が自らの意思で選び取れることは,
   たぶん,我々が思っている以上に,とても少ないから。
   (だから,「人はチョボチョボ」なのだろう。)

そういう意味では,
我々はみな,ある意味で「歯車」である。
「世界の歯車」の1つ。

(ただし,歯車よりはややもう少し高い自由度が,
 我々には“与えられて”おり,
 ある一定の範囲内で,自分の意思での選択は可能である。
 ……たぶん。
 その点では,ぼくは完全な運命論者とは,意見を異にする)


なんか最後の方,
高校の現国の試験に使えそうな文章だなぁ(^^;)

「問.筆者の言う「世界の歯車」とは何か。○字で述べよ」


ともあれ,いい映画でした。オススメです。
(今回は,この程度の論考にとどめ,
 自身の陳腐な正義を開陳するのは,止めておくス。)


●わたくし及び会場について
館内,年齢層高し。
ゆーかんマダム仲良し銀座でランチ集団,
及び,
戦争を経験したか,終戦直後を生きた,
白髪のおじいちゃんおばあちゃん世代。

その中にぽつねんとにこやかに佇む,
明らかに正規分布のいちばんハジに位置しており,
ほとんど〈外れ値〉な存在としてのわたくし。
(さすが,「昭和の感性を持つ男」(bySお)である。)

さらに,
魔法瓶で家で淹れたレモンティーを持っていったのも,
食パンにジャムをはさんでタッパに詰めて,
風呂敷に包んで持っていったのも,
どうやら,わたくしだけのようであった。
(さすが,「昭和の感性を持つ男」(bySお)である。
 いろんな意味で外れ値。
 外れ値であることが好きであり,たのしいのである。)


●映画館を出た後の行動について

日比谷の町を散歩。
日比谷公園をぶらぶら抜けて,

霞が関の官庁街の固体群のすき間を,
自由電子のようにフラフラと彷徨い,

警察庁の前で,
ここで自爆テロしたらたのしそうだなぁ,
と甘美な妄想に浸りながら,
有楽町線桜田門駅に至り,メトロで帰宅。

なんたらビル
やや欧米のよう
欧米ちっく2
日比谷公園ソーラー時計
噴水
都立日比谷図書館

日比谷公園の作りを眺めた結果,
「セントラルパークの構造とそっくりだ」と思い,
結果,
緑地計画学のレポートのしめきりが近いことを思い出す。

「あ,まだ書いてないや……」


……おあとがよろしいようで。



いろんな方のおかげさまで,
このように,よい休暇を過ごしております。
ありがたいことです。

それでは,また。  

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2006年01月26日

「止めないで」

止めないで / 美しい影


時よ止めないで 時よ止めないで 時よ止めないで
今ここに新たな光が心の中に射す
今ここに新たな光が心の中に射す

いくつの裏切りと
いくつの苦しみに
あたしはどれくらいの涙を流したろう

いくつの嘘つきと
いくつの悲しみに
あたしはどれくらいの愛を重ねただろう

そんなあたしに今 神は教えてくれた
今こそ進む時と
いざ進めと

(「止めないで」 作詞作曲;笹川美和)  
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2006年01月24日

『風の歌を聴け』

でもね,よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。
故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。
もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いのもいる。
タフなのもいりゃ弱いのもいる。金持ちもいりゃ貧乏人もいる。
だけどね,人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。
みんな同じさ。
何かを持っているやつはいつかなくすんじゃないかとビクついてるし,
何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。

・・・・・・
みんな同じさ。
だから早くそれに気づいた人間が
ほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。
そうだろ?
強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」

「ひとつ質問していいか?」
ぼくは肯いた。
「あんたは本当にそう信じてる?」

「ああ。」


村上春樹『風の歌を聴け』角川文庫117ページ

大学の情報基盤センター講義室より


*学科内の研究室決めが佳境です。
 なかなかしんどい。でも,みんなマジメで真剣なのは,とてもよいこと。
 一段落するまで,なかなかブログをゆっくり更新してる余裕がなさそうです。
 よろしくご了解ください〜。  
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2006年01月01日

愛しのチョコさんと、『パイナツプリン』

愛しのチョコさんと、『パイナツプリン』

母方の祖父の家で、新年会であった。
いとこ・親族が集合。毎年恒例、鍋を囲む。

うちは、いとこ9人が全員男、という、なかなか稀な家で、
男どもはだんだん大きくなってしまったので、
集まると、すごい迫力である。ごろごろ。ずーん。もさー。

わが家の、最近少々情けない父を含めて、
おじさんたちは若者にカラみ、からかって遊び、

じいちゃんは、おちょこ一杯で真っ赤なユデダコになって、
昔の想い出を語りはじめ、

お年玉のやり取りがあり、(イェイ! 多謝。)

食べ、飲み、笑い、
1年のはじめに、とても幸福な空間が出現する。

ヒトっていいもんだわ、と思う。


そうそう、
愛しの君、チョコさんにも、再会できた!

チョコさんです。

チョコさん


以前にも紹介しました彼は、
その後、いとこのよぶさんの父(つまりぼくのおじさん)、ろくさん宅にもらわれ
元気に過ごしておりましたようです。
行儀よくなってたけど、
やっぱり、さみしがりやな根っこは変わってなくて、
あぁ、そんな君が、限りなく愛しいの。

安易に「癒し」という言葉を使うのは好きではないのだけれど、
このひとといると、
ひりひり、ぴりぴりしてた心の擦り傷が、
掛け値なしに、やさしく癒されていくのを感じます。


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Posted by gandhi at 22:20Comments(0)TrackBack(0)[G2] 写真・本棚