2004年10月30日

「だまされない人」になるために

■「だまされない人」になるために

気付けば1週間ぶりの投稿です。
世間は台風や地震,イラク問題でなにかと騒がしいですが,
自分自身はすごく穏やかな毎日を過ごしておりまして,
書くこと/書きたいことがありません。

先学期は,よくもまぁあれだけ毎日書くことと書くエネルギーがあったなぁと,自分で感心しています(^^;)。

決して世間に無関心なわけではないのですが,
blogでそれらについて活発に意見を表明するほど,ぼくは政治的な人間ではないのです。

しかしそんな中で,どうしても引っかかる記事に出会いました。
今日のゴーログ(「週刊!木村剛」。ココログの有名ブログ)の記事,
「[BLOG of the Week] これが新潟県中越地震の真実だ!」です。

内容は,新潟県中越地震におけるマスコミの横暴な態度を告発したものです。

最初は,読んで腹が立ちました。
「なんとひどいことをするのか」,「マスコミはなんて無神経なのか」,と。

しかし,ちょっと冷静になって考えてみました。
なんとなく,読んでいて気になったというか,なにか違和感を感じたからです。

そこで思い出したのは,カイパパさんの,「エピソードによる批判の危険さ」という記事でした。

引用します。
■エピソードによる批判の危険さ

「障害者支援費制度の方針(2)〜今後考えるべきことへのコメントを1件削除しました。

【理由】
 コメントされた方が見聞された障害者支援費の「不適切と思われる利用」の書き込みでした。こういった例示は、
・いつ、どこで、だれが(利用者が、事業者が)何を、どのように
・何件(←これはとても重要)
 自分が見聞したのか(もし他人から聞いたのなら情報源は信用できるか)を具体的に明らかにしないと、
全体に占める割合や、実際に不適切であったかどうかの検証ができません。
しかし、ここまでの情報開示はインターネットではプライバシーの侵害、名誉毀損の問題があるためできません。
 必然的に、あいまいにぼかしたエピソードの紹介にならざるを得ないのです。

 その結果どうなるか?

 私がいつも思い出すのは、「生活保護をうけながら毛皮を着て男と遊びまわっている人がいる」というエピソード的な批判(※)です。
これを聞くと、見たわけでもないのに生活保護制度に対する不信感を覚えてしまいます。
まさにこの「エピソード」を流した人の思惑は成功しています。
 全体に占める割合など客観データを無視したエピソードで論じることは、プロパガンダの手法としてとても有効です。
 それだけに、気をつけなければいけません。

 自分自身、ネットで発信する際の戒めにしたいと思います。

(※)このできすぎたエピソードは眉唾だと思います。
しかし、「この目で見た」という主張のインパクトは強い。
事実とした場合でも、その時、「じゃあそういう例は何件あって、他に、適正に給付されている生活保護世帯はどれだけあるのか?」と問うことが必要です。



まさにこのケースだ,と思いました。
木村さんの記事は,まさに「エピソード的な批判」が繰り広げられています。

確かに,一部のマスコミに行き過ぎた行為,配慮を欠く態度があることは事実なのでしょう。
しかし,目立つもの,大きな声だけに目・耳を奪われていては,大きな間違いを犯してしまう危険があります。

トラックバックをたどっていったところ,同様の指摘は,「ネットde監視、地方議会」さんや,「ガ島通信」さんの記事でもなされています。

「だまされないためにはどうすればいいのか」,
今回は,カイパパさんの記事に助けられましたが(カイパパさん,多謝!),
今後,社会の中で生きていく上での課題だなぁ,と思いました。

周りの100人が「Aだ!」と言っても,自分だけは「いや,それ違うんじゃないか。Bかもしれないよ」と言えるような,
そんな,〈主体的な人間〉でありたいと思います。


今,板倉聖宣さんの『板倉式発想法 主体性論・実践論・組織論』(「仮説実験授業ガリ本図書館」発行,1990)という本を読んでいるのですが,
板倉さんが仮説実験授業を提唱されたのも,まさに「ダマされない人間を育てる」という問題意識からだったようです※。

仮説実験授業と,その提唱者の板倉さんから学ぶことは,まだまだありそうです。

(※上記の本に直接書かれているわけではありません。
どの本かにキチンと明記されていたか,あるいは誰かから聞いたのだったか…ちょっとあいまいです。すみません。)


【追記】

>「だまされないためにはどうすればいいのか」,
今回は,カイパパさんの記事に助けられましたが

と書きましたが,よくよく考えると,「今回はだまされなかった」なんて思ってていいのでしょうか?
どれが真実で,どれが真実ではないのか,見極められているとはとても言えません。

う〜ん,難しいなぁ…。
Posted by gandhi at 16:39│Comments(0)TrackBack(6)記事編集そのほか雑記

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[社会]「真実だ!」って、何が?【犬にかぶらせろ!】at 2004年10月31日 20:44
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■「〈だまされない人〉になるために」追記 先月30日に書いた記事,「「だまされない人」になるために」について,いくつか補足,追記です。 ●1,アクセス数の増加 実はあの記事は「有名blogにトラックバックを送ってみる」という実験的な意味も含めて書いてみた
「〈だまされない人〉になるために」追記【ガンジス川のほとり〜ガンジーblog】at 2004年11月03日 14:52