2004年05月27日

生命科学の現在・パート6(8)新井賢一さん

生命科学の現在・パート6(8)新井賢一さん
■生命科学の現在・パート6(8)新井賢一さん

 「生命科学の現在・パート6」第8回,今回の講師は,東京都臨床医学総合研究所 研究総括顧問,新井賢一さん。

東大医学部→東大医化学研究所→シリコンバレーのBioベンチャー→東大医化学研究所,とまぁ,
なんとも「スペクタクル」な人生を歩んでこられた,すごいお方。

 話も今までの講師の方々とはひと味違った,スケールの大きい話で,
ぼくの脳みそは対応におおわらわであった。

●研究施設見学

 恒例の研究施設見学,今回は新井さんのお話の前に,先に行われた。新井さんの3人のお弟子さんたちがそれぞれの研究室を案内してくださった。
 ぼくは正井久雄さんという方に案内していただいた。

生命科学の現在・パート6(8)正井久雄さん

 研究室は,だいぶ見慣れてきた。去年(「生命科学の現在」パート5)からの参加もあわせると,
だいたい20くらいの研究室をのぞかせていただいたことになるが,
基本のセット(ドラフトとか,顕微鏡とか)は,程度の違いこそあれ,だ〜いたいは同じである。
 同じパラダイムの上で研究をしているから,それも当然と言えば当然なのだが。


●医科研からシリコンバレーへ

 というわけで一通り見学の後,いよいよ新井さんのお話。
前半は,最初の医科研時代と,シリコンバレーでの研究時代の話。

 アメリカでの生活は実に26年間にも及ぶそうで,その間に数々の生物学の研究をされたそうである。

具体的には,スタンフォード大学のコーンバーグという偉いおっちゃんの元で,DNAXというBio系ベンチャー企業を起ち上げ,
そこで研究しつつ,そこの運営もする,という,まぁなんだかとにかくすごいお話だった。

途中で何度も「あ,この人はノーベル賞受賞者で,この隣の人も○○でノーベル賞,でその隣が私」とか,そういう話が出てきて,
「ほえ〜っ」と,ただただ口をポカンと開けて感心してしまった(^^;)。


●再び医科研へ

 後半は,再び東大の医科研に戻ってからのお話。

 この辺りから,話は研究から,どちらかというと政治的な方向へ。
現在の新井さんは研究者はもう引退されて,かなり政治家に近いような存在であるらしい,との印象を受けた。

 たとえば,「各学問の融合による新領域の創造」として,「沖縄大学院大学」だとか,「ゲノムベイ東京」プロジェクト,だとか,
正直言ってスケールが大きすぎて,これまた,ただただポカンと聞くだけ,になってしまった。


●じゃあ自分は…?

 確かに「これからの日本の科学政策のあり方は云々…」という話は,聞いている分にはおもしろいのである。
おもしろいのであるが,しかし,「じゃあ自分はどうしていったらいいのか」と考えると,
ちょっとスケールが違い過ぎて,うまく考えられない。だから脳みそがショートしてしまう。

 質疑応答の時間に「もうちょっと個人的なレベルでのアドバイスとか,そういうものはないですか」と尋ねたのだが,
残念ながら話は横滑りしてしまい,またもや政策レベルでの話に…。
正直,ちょっと不満だった。

 でもでも,〈「こういう人もいる」ということが知れた〉という意味では,たいへん興味深い内容であった。
だからちょっぴり不満は残ったけど,全体では,満足,満足。

 以上,今回もたのしかった!!


【参考】

DNAX
新井さんが起ち上げられたベンチャー会社

東京大学研究者データベース:新井賢一
現在はもう退官されているのだが,2000年までの記録だけ残っていた。

東京都臨床医学総合研究所


著書もいくつかお持ちのようである。


黄金のDNAらせん─先端医療ビッグバンへの道



東京ゲノム・ベイ計画─日本に託された人類の未来

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