2004年05月19日

COEテーマ講義「心とことば」(4)佐藤隆夫さん

COEテーマ講義(4)佐藤隆夫さん
■COEテーマ講義「心とことば」(4)佐藤隆夫さん

月曜日はCOEテーマ講義の第4回,
東大文学部心理学の,佐藤隆夫さんのお話でした。

う〜ん今回は,ぼく的にはやや不満かなぁ。75点,といったところ。


講義タイトルは「視覚の能動的な働き」ということで,
ヒトの視覚の認知プロセス:感覚→知覚→認知の流れ,を,
錯視図形などの例を交えながらおもしろく語ってくれました。

いくつか紹介すると(写真が小さくてよくわからないかもしれませんが),

COEテーマ講義(4)凹面顔錯視

写真の顔は凸面に見えますか?凹面(へこんで)見えますか?

大抵のヒトは,これは凸面(でっぱって)見えます。
しかし,実はこれは凹面:奥にへこんだプラスチックの透明なお面,を手に持っているのです。

もうひとつ。

COEテーマ講義(4)カニッツァの三角形

これは「カニッツァの三角形」というけっこう有名な錯視図形だそうです。
写真,左の図を見てください。

三角形はないのに,真ん中に三角形が見えませんか?

このように,ヒトは,「ありのままにモノを見る」ことはできず,
必ず偏ったモノの見方─つまり,過去の自分の記憶や,経験と照らし合わせて,モノを見る(認知する)というわけなのです。

というわけで他にもいろいろおもしろいネタを見せてくれて,
話自体は,おもしろかった,たのしかったんです。

だがしかし。
なにが不満だったかというと,「不思議だねぇ」で終わってしまったこと。
「なぜそうなるのか」という仮説と,その検証が,話の中にほとんど出てこなかったのです。


ぼくは常日頃から,「心理学」という学問に対してかなり,「うさんくさいなぁ」という思いを持っていまして,
それはなぜかというと,「あれは科学でない」と思うからなんですね。

科学というのは,「仮説を立てて,それを実験によって証明する」というプロセスによって成り立っているわけですが,
心理学では,どうもその「実験によって証明する」というところが弱いように思うのです。
(単にぼくが不勉強なのかもしれませんが)仮説を立てても,それを証明する方法論がない,ように見えます。

解釈なんてのは,いくらでも理屈が付けられるわけで,
やはりそれを検証する手段がないことには,学問としてちょっとなぁ…という気がするのです。

今回のお話も,そんな感じだったわけですね。
というわけで,75点,だったのでした。

でも話自体は,おもしろかったです。

さてさて,今回は,心理学を批判するようなことを書いてしまいました。
もし「それは違う」という方がいらっしゃいましたら,どうかご意見をお聞かせください。
納得すれば,認識を改めたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。


【参考ホームページ】
東京大学大学院 人文社会系研究科 心理学研究室 佐藤研

東京大学研究者データベース:佐藤隆夫

・楽知ん研究人の小出さんのホームページ「Lactin Factory」の「リンク」のページから,
錯覚関係のホームページに遊びに行くことができます。
かなり楽しいです。オススメ。


【他の回の記事はこちらから↓】
http://blog.livedoor.jp/gandhi/archives/cat_48505.html

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この記事へのコメント
心理学にも、実験により仮説を証明する方法はあります。
ただし、いわゆる科学系とは多少プロセスに違いがあります。
心理学という学問は、人間を相手にしているのであまりにも範囲が広すぎて、何だか訳分からない所もありますが、その中でもきちんとScientificな方法で謎を解き明かそうとしている人たちもたくさんいますよ。

理系出身の私は、未だに心理学系の学会発表の内容に???なことも多いですけどね。

Posted by Sana at 2004年05月19日 19:00
Sanaさん,いつもコメントありがとうございます。

>その中でもきちんとScientificな方法で謎を解き明かそうとしている人たちもたくさんいますよ。

なるほど,そうなんですか。
一概に「心理学は科学ではない」というのは,いささか乱暴な見方でしたね。
偏見を改めたいと思います。
ありがとうございました。
Posted by ガンジー at 2004年05月20日 00:23