2005年12月10日

配属研究室決め雑感

■配属研究室決め雑感

おとつい,配属研究室を決めるための説明会があった。
やっと自分で,自然科学の「研究」ができるかと思うと,わくわくする。

なにしろ,このために,大学に入ったんである。
別にぼくは,講義を受けるために大学に入ったのではない。

ここに来るまでに,3(+留年1(^^;))年間。
「うひょひょひょ〜〜ついに来た来た〜!!」という感じである。

というわけで,
いくつか思うところを,書き留めておこうと思う。

学科の仲間に向けてのやや私信的な内容も含みますが,
「配属研究室」を,「就職先」や,「進学先」と読み替えれば,
かなり一般に通用する話だと思いますので,
よければ,読んでみてください。

ちょっと長いので,もくじ。
(クリックすると,その部分へジャンプします)

  ───────────────────────────
もくじ
  ●0.第3者のための,おおまかな説明
  ●1.杞憂であってほしい危惧
  ●2.ギスギスするのは,やめよう!
  ●3.行き先研究室では,人生は決まらない
    ├(1)無数にある分岐点の,単なる1つに過ぎない
    ├(2)人生は,非線型現象である
    └(3)研究室は手段であって目的にはあらず
  ●4.私事:保全生態学研究室に行きたい
  【謝辞】
  【つぶやき】

─────────────────────────────

■0.第3者のための,おおまかな説明 [topへ戻る]
まず,第3者の読者の方々のために,
研究室配属というのがどんなシステムなのか,
おおまかに説明しておこう。

うちの学科内には,約10コほどの研究室がある。
他の講座の研究室も合わせると,20コほどの選択肢の中から,
4年生の卒論研究で所属する研究室を,選ぶことになる。

各研究室の受け入れ人数は,
研究室によって異なるが,1〜3人の上限がある。

この枠は,動く余地は無い。
各自希望を出し合い,
上限を超える希望者があった研究室は,
話し合い,じゃんけんなど,各種手段を用いて決める。

1月に研究室訪問の日時が設定されており,
最終的に学生の話し合いにより,研究室を決定,
一覧にまとめ,2月に,担任の先生に提出する。


研究室で,その後の研究分野や,ひいては人生の,
ある程度の方向性は決まる
(と,少なくとも,当事者たちの多くは思っている)ので,
学生にとっては,けっこう,一大事なわけである。


■1.杞憂であってほしい危惧 [topへ戻る]

今年の学科は,どうも,マジメらしい
(学生実験を担当した多くの先生が,口を揃えて,そのことを指摘する)。
真剣なのは,とてもよいことだが,
某N波先生が指摘していたように,ヒートアップし過ぎは,よくないと思う。

え〜とつまり,
みんな真剣になり過ぎるあまり,トラブる,ということを,
ちょっと心配してるのです。

この1年間,ぼくは,とてもたのしい大学生活を過ごせました。
それは間違いなく,学科のみなさんのおかげです。
農学部一類を選んで,
みんなに出会えて,本当によかったと思っています。

「この1年,よい人間関係を築けた」と,
言っていいんじゃないかと,ぼくとしては思っていますが,
どうでしょうか。

んで,せっかく築けた,その,
よい人間関係・仲間とのつながりを,
配属研究室ごとき(あえて「ごとき」と言わせてもらう)で,
ぶち壊してしまうのは,なんとも悲しいことだと,思いませんか?

杞憂であることを願うし,
そうならないように,適当に様子見ながら,
交通整理をしようかとも思ってます。
毎度,でしゃばりで恐縮ですが(^^;),よろしくご了解ください。

(昨日,アベさんに,
「なんか,パパみたいだね」と言われたけど,まぁ,確かにそうだ(^^;)
この1年間,それに近い問題意識を,自分でも設定して行動してきたからねぇ。)


■2.ギスギスするのは,やめよう! [topへ戻る]

そこでまぁ,余計な心配ながら,提案します。
ギスギスするのは,やめましょう!

腹の探り合いや駆け引き,コソクな手段みたいなのは,
使わない約束にしませんか?
そういうの,疲れるし,嫌いなんだな,ぼくは(^^;)。

・みんなそれぞれ,
 自分の行きたい研究室,将来やりたいことを,
 堂々と表明する。

・もし希望が重なった場合は,十分話し合い,
 お互いの希望理由や,問題意識・目的意識を理解しあい,
 お互い納得のいく結論を出す。(納得するまで,話し合う)

・もしそれでどうしても決められない場合は,
 じゃんけんや,第3者の仲介・仲裁,
 暴力による解決,パン食い競争,といった,
 なにか他の手段を考える。

・決まった場合は,
 あとあと文句を言わない。
 他人の成功を,祝福しよう。


以上のような原則でいくといいのではないかと思いますが,
どうでしょうか。

お互いの目標や価値観・夢を語り合う,というのは,
相互理解が深まる,とっても豊かな経験なわけで,
今回の研究室配属を,うまくそのキッカケ・機会として,
建設的に利用したらいいと思います。
争ったり,ケンカしちゃっては,つまんないです。



■3.行き先研究室では,人生は決まらない [topへ戻る]


さて,ところで,
「行き先研究室で,自分の人生が決まる」くらいに
思い詰めてる人も,もしかしたらいるかもしれません。

ある意味ではそうですが,
ある意味では,全くそんなことはありません。

そう考える理由を,以下に,説明します。


(1)無数にある分岐点の,単なる1つに過ぎない [topへ戻る]

4年生の研究室くらいでは,人生は決まりません。
たった数ヵ月の卒論研究ごときでできることなんて,
たかが知れてるっちゃ,たかがしれてますし,
どうしても気に入らなかったら,
大学院に進学する時に,
研究室や大学・専攻分野を変えることもできます。
博士まで進むなら,
修士・博士と,あと最低2回は,
進路変更をするチャンスがあるわけです。

就職する場合も,
4年生の研究とは全く違う分野の仕事に就職する人も,
多いです(というか,その方が多数派)。

【参考】 O杉先生が話していた例→ webナチュラリスト
 やっすんさんとは,たまたま知り合いだったのでした。

さらに,現在は雇用が流動化してきているので,
就職してからも,進路変更のチャンスは,すごく増えています。

そう考えたら,
4年生の時の研究室なんて,ほとんど意味ないです。


(2)人生は,非線型現象である [topへ戻る]

ヒトの脳みそは,線型的発想が得意です。
「ああなって,こうなって,ああなるから,こうだ!」と,
未来のことまで,すっかり見通せると考えがちです。

特に,優等生は,こういう発想が得意というか,
そういう考え方をする傾向が強いです。
(学校の成績なんかは,「頑張れば,成績が上がる」という
典型的な線型現象ですから,
それに適応して育てば,そうなるんでしょう。)

でも,学校の成績はそうだったかもしれませんが,
人生では,それは間違いです。

環境や他者との複雑な相互作用を受けながら,
人生は展開していきます。

「失敗したなぁ」と思っていても,
行った先で思いもよらぬ出会いがあり,
たのしく過ごせたり,
逆に,「大企業に就職したから,これで安泰だ」と思っていても,
定年間近になって突然,職を失ったり(^^;),するわけです。

あるいは,
明日には,交通事故で死んじゃうかもしれないしね。

だから,予想なんて,つかないわけです。
人間の脳みそで予想できる範囲なんて,たかがしれています。

だから,
4年生の研究室選びごときで,そんなに真剣になることはありません。
どこへ行っても,自分次第で,たのしく過ごすことはできます。
絶対に,できます。

(逆に,どこへ行っても,文句を言いながら過ごすことも,
 当然,できます。ブーたれるのなんか,簡単ですから。
 でも,そんな人生って,不毛だとは思いませんか?
 そんな人生が,果たしてたのしいでしょうか?)



(3)研究室は手段であって目的にはあらず [topへ戻る]

そこでオススメするのが,

 「研究室を〈目的〉ではなく,〈手段〉としてとらえる」

という考え方です。

特定の研究室に入ることを,〈目的〉にはしない方がいいと思います。
「Aの研究室に入れば,即,自分もイイ仕事ができる。
 Bの研究室では,それはできない」なんて考えるのは,間違いです。

「いい研究室だから,いい仕事ができる」んじゃなくて,
「各人がいい仕事をしてるから,結果として,いい研究室になる」のです。
「この研究室に入れば,おいしい研究させてもらえるだろう」
なんて甘いこと考えて,アテにすると,
そういうのは,たいてい,コケます(^^;)。

ぼく,3年前,
「東大に行けば,たのしい学問が学べるだろう」とか考えてて,
おもいっきし,コケましたから(^^;)。
 【参考記事】「ぼくがうつ病になった理由」


それに,特定の研究室に入ることを目的にしてしまうと,
それは狭い目標なので,
人と争ったり,人を蹴落とさないといけなくなります。
うまく人を蹴落とせればいいですが(?(^^;)),
自分が逆に蹴落とされる危険も,当然,高くなるわけです(^^;)。


でも,もう少し広く目標を設定してみたら,
どうでしょうか。

たとえば,農学部だったら,
「食で人を幸せにする」という目標を設定したとします。

そういう大きな目標だったら,
目標の実現に対して,
いろんな手段・アプローチの方法がありえます。

「作物の収量をあげる栽培方法を研究をする」というのも,
ひとつのアプローチですし,
「新品種を作るために,遺伝子を研究する」という方法もありえます。
「作物に被害を及ぼす,植物の病気を研究する」のでもいいでしょう。

「食で人を幸せにする」という目的地に対して,
そこへ行くための〈交通手段〉というのは,
いろいろありえるわけです。

新幹線乗っても,在来線でも,飛行機でもバスでも,
目的地には行けます。
(ただし,もちろん,値段とか,速度,混み具合は違うので,
人によって,最適な交通手段は,異なるでしょう)。

そしたら,
競争は,比較的ゆるやかですし,
むしろ,目的地を共有できる相手は,
大事な仲間として,
協力しあったり,一緒に行くこともできるでしょう。

それに,先にも述べたように,院進学時とかに,
電車に乗ってみて気に入らなかったら,バスに乗り換えることだって,
可能なのです。


ところが,
もし「新幹線に乗る」=「○□研究室に入る」こと自体を
目的にしてしまったら,それは,しんどいです。
新幹線に乗れる人数には限りがありますし,
乗りそこねてしまったら,乗れません。

それに,もし乗れたとしても,
その時点で,目的が達成されてしまいます。
目標を見失ってしまう可能性があります。

大切なのは,研究室に入ることじゃなくて,
入った先でどんなことをするか,だと思うのです。


・大事な目標は,大きく,ゆるやかに設定しておく
・その目標の達成の手段として,どういう選択肢があるのか。
 選択肢は複数ないか。
 あったとしたら,どれが現時点では,どれが,より「ベター」か。

そんなことを考えて,
なるべくゆるやかに,視野を広く考えると,
しなやかに人生を生きることができて,
ヘコタれずに,幸せに生きられると思います。


だから,今回の研究室選びも,
なにか,自分なりの目標を実現するための手段・「道具」の1つとして,
研究室をとらえたらいいんじゃないかなぁ,と思います。

たとえば遺伝子がやりたっかたら,
扱ってる対象が違うだけで,分子生物学の基本的な技術
(電気泳動とか,ノーザンとか,サザンとか,シークエンスとか,)は,
どこの研究室に行っても,身に付けることは可能でしょう。
それほど,たいした違いがあるわけではありません。

だって,どこ行っても,
同じメーカーの,同じ機械が置いてあるじゃんね(^^;)。


まぁそんなわけで,長々と書きました。
参考に,なるでしょうか。


■4.私事:保全生態学研究室に行きたい [topへ戻る]
ついでなので,自分の希望も,記しておく。

ぼくは,生態学がやりたいです。
1つの遺伝子の特定の働き,とか,そういうミクロな話よりは,
集団の中での安定性とか,共生関係における相互作用とか,
そういうことに,興味があります。

また,そういったテーマとも深く関わる,
「進化」というものに,
ずっと前から,強い興味を抱いています。


そういうことがやれるのは,
1類内では,田付先生のところか,鷲谷さんのところでしょう。

昆虫よりは,なんとなく植物が好きなので,
とりあえず,鷲谷さんの保全生態学研究室に行きたいなぁ,と考えています。

3専修の枠は1名しかないんで,アレですが,
いまのところ他に希望者はいないようなので,大丈夫かなぁ(^^;),
と思ってます(^^;)。

とりあえず,
ここに,表明しておきます。


【謝辞】 [topへ戻る]
大学入ってコケて,うつ病になったり,
自分なりに試行錯誤して身に付けてきた「生きるコツ」みたいなものを,
今回,まとめてみました。

内容は,基本的に,
師匠のカウンセリング(^^;)を受ける中で,教えてもらったものです。
師匠に感謝します。


【追記】
そうそう,ひとつ過去の記事を補足紹介。

【発想法】人間の一生を24時間にたとえると…

みんなだいたい,20か21くらいですよね(せいぜい25歳くらい)。
自分の人生を24時間表示すると,まだ朝の7時なのを,知っていますか?

朝の7時だったら,今の時期なら,
下手したら,まだ太陽ものぼってません。
まだ寝てても,全然,大丈夫な時間です。

だから,就職や進学で焦る人もいるでしょうが,
そんなに焦ることはないです。
人生は,若者が思うより,長いのだ。


【つぶやき】 [topへ戻る]
研究室配属のガイダンスの後,
友だちの家に集まって,10人ほどで,鍋をした。
2年前,孤独の絶頂にいた時,
大学でこんなにも友だちができて
みんなでわいわい鍋を囲む,なんてことを,
どうやって想像できただろうか。

いい仲間を持った,と思った。
おなかが満たされた物理的満腹感と,
人間関係が満たされた精神的満腹感,
そこから生まれる幸福感。

そういうものを伴って,帰宅した。

その幸せを思った。

Posted by gandhi at 11:34│Comments(7)TrackBack(0)記事編集農学部一類生活

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/gandhi/50047492
この記事へのコメント
あら、O杉先生が何かおっしゃってました(笑)?

研究室の研究内容って結構就職に関わってくるので
人生は左右されない、とは言い切れないのですが
就職とかそんな先々のことまで考えて研究室選ぶのって
なんだかセコイような気がしちゃったんですよね、私は(^^;)?

「今したいこと」を大事にし、満喫できるのは学生のうちだけです。
あれこれ悩むよりまず
「自分が何がしたいか」を追求してくださいね!
Posted by やっすん at 2005年12月10日 19:21
>やっすんさん
こんにちは〜。いつもコメント,ありがとうございます。
O杉先生の件の詳細は,個人メールにて(^^;)。

そりゃ,ま,全く自分の好みや興味と合わない研究室に行ったら,
さすがにたいへんですよね(^^;)。
ぼくも,どこでもいい,と言ってるわけではないです。
でも,視野をせばめて思い詰めすぎるのは,よくないと思います。
というわけで,こういう文章を書いてみたのでした。
Posted by ガンジー at 2005年12月10日 22:43
>つぶやき
なんか,自分でも,
なにをこんなに心配して,必死に書いているんだろう,
という気が,しないでもないです。むしろ,多いにする。

でも,まぁ,石橋は叩いておけばいいし,
無駄になるなら,それはこの文章が必要ないほど円満・順調,
ということなのでしょうから,それでいいです。

と,ひとりつぶやく(^^ゞ
Posted by ガンジー at 2005年12月10日 22:56
そういえば研究室決定の季節ですねぇ。

うちの学科は、各々の研究室が扱っているテーマが多岐に渡るので、色々なことが出来て選びがいがある分、そこから外れると全然違うテーマの研究室しかないかも…という状況です。
別に卒論の研究室の選択に人生がかかっているとは思いませんが(学科の規定には4年次での研究室と修士での研究室は別の研究室であることを推奨しているくらいですから)、完全に苦手分野の研究室に行ってしまったらどうしようか、という悩みは多かれ少なかれ皆持っていると思います。難しいなぁ。

しかし今私にとっての問題は、研究室より卒業後の進路なのですけれども。
はぁ気が重い…
Posted by みさ吉 at 2005年12月11日 19:25
>みさ吉さん
お悩みですねぇ。
まぁ,本文中にも書いた通り,人生なんて先はわかりませんから,
気楽にかまえて,ボチボチやってください。

先がわからないと,ヒトってのは,
なぜか,たいてい暗くなるんですが,
わからないなら,暗くなる根拠もないです。
(明るくなる根拠もないけど)
どうせどっちも根拠がないなら,明るくなった方が,トクです(^^;)。

というのが,まずひとつ。

そして,「実は明るいよ」というのが,2つめです。
それは,いましがたアップした次の記事を,ぜひ,
読んでみてください。

長期投資して40歳で1億円作れば,
あとは一生,就職先に悩むこともなく,運用益を使って,
一生,装置メガネのライブだけ聴きながら,過ごせますよ(^^;)。
Posted by ガンジー at 2005年12月11日 19:39
競走馬を所有できるほどのお金が欲しいものです。
JRAの賞金を見るたび、軽いカルチャーショックです。

まぁ一度落ち込んでも、次の日には違うことに熱中しているので、そんなにどよーんと暗くなってはいないと思います。高校時代に「頑張らない」方法を少しずつ身に付けてきた成果です(笑)。でももうちょっと頑張れ、自分。

そもそも卒業後の進路に関しても、結構前向きな悩みなんですよ。悲観的ではなく。
興味を引かれる場所がいくつかあるので、どこで勉強するか、それを悩んでいるだけです。簡単に言うと。
とりあえずモラトリアムを許容してくれる親にはいくら感謝してもし足りないですねぇ。頑張ろー。
Posted by みさ吉 at 2005年12月12日 13:09
>みさ吉さん
そうですね。研究室の行き先や,将来で悩める我々は,幸せです。
Posted by ガンジー at 2005年12月14日 23:50