2005年09月30日

【分子模型】リン脂質

0e0a7339.JPGでけたー!

「足長おじさん」こと,リン脂質です。細胞膜の構成成分。
基本的には,セッケン系です。

我々の細胞を仕切っている膜は,
このリン脂質が2重に並んだ,「脂質二重層」というものでできているのだ。
(追記:こんな感じ
まぁようは,
シャボン玉の膜がちょっと分厚くて丈夫にできてる,と思いねぇ。


コリンとリン酸のくっついた「頭」に,
グリセリンの「胴体」,
そして油の「足」が2本。

足のうち一本は,折れ曲がっている。
これは,C−Cの二重結合(シス型)があるから。
(他のまっすぐな部分は,みんなC−Cの一重結合)

この折れ曲がりによって,
リン脂質同士のすきまが大きくなり,分子間力が小さくなる。
すると,結合が弱くなるので,
リン脂質の集合は,固まりにくくなる。

細胞膜がラードやマーガリンみたいに固まってしまうと,
細胞としては非常に困る。
ドロドロでもタラタラでもなくて,
ちょうどいい具合のねばりぐあいであることが,必要なのだ。

だから細胞は,このリン脂質の足をその都度取り換えて,
「折れ曲がり度」を調整することで,
リン脂質の密度を調整し,
常に,細胞膜の適度な粘性を保っているのだ。

まことに,うまくてできているのであった。
ということが,
分子模型を作ると感動的に実感できます。


師匠から注文を受けた分子も,あと2つ。
残るはATPとクロロフィル。どちらも,ちと手強いです。

でも注文を受けてからもう3ヶ月以上経ってるから,
いいかげん仕上げて納品せねば(汗)

がんばりまっする。


いやー,しかし分子模型作りは,やっぱりたのしいです。
キッカケがないとなかなか作れるもんでもないので,
師匠には,たいへん感謝してます。

田中一成さんのScilla内,リン脂質の記事も,
さんこうにさせていただきました。ありがとうございました。
Posted by gandhi at 22:29│Comments(2)TrackBack(0)記事編集分子模型

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
ちょっと前に書かれた記事にコメントつけて申し訳ない。

この子、今授業でやってるんだわ・・・

脂質の足の折れ曲がりのトリビア、ちょっとためになりました。
勉強に活かせればいいんですけどね。

追伸:相変わらずM田先生は元気に徘徊しております
Posted by みさ吉 at 2005年10月08日 02:20
>みさ吉さん
いえいえ,遅刻反応,大歓迎です。
自分も記事を読み返せて,たのしいです。

M田先生,懐かしいなぁ。会いたいなぁ。
駒場は,すでに遠くになりにけり。(^^;)
Posted by ガンジー at 2005年10月08日 10:22