2004年04月25日

【ニュース】うつ病の遺伝子を解析して新薬を開発

【ニュース】うつ病の遺伝子を解析して新薬を開発

うつ病の遺伝子を解析して新しい抗うつ薬を開発しよう,という国際的なプロジェクトが始まったそうです。
NatureBioNewsより)

以下,記事全文を引用します。

2004年04月22日
《医学 :うつ病の遺伝学を探る〜新しい抗うつ剤の開発に期待》

ベルリン(独)で4月4日から開催されたHGM2004ヒトゲノム会議で、うつ病の遺伝学を探る大規模なプロジェクトがスタートした。
この国際的な研究は、うつ病に対する新しい薬剤の開発を助けることが目的である。

このプロジェクトのリーダーであるマンチェスター大学(英)のBill Deakinは、
「抗うつ剤は過去30年間あまり変わっていない。うつ病に関わっている今まで知られていない物質を見つけ、新たな治療法が開発できるようにする必要がある」と語っている。

抗うつ剤の殆どは、脳内にある化学物質セロトニンの濃度を上昇させる。
セロトニンは神経細胞が情動を伝えるのを助けている。
しかし、この治療法は効果が現れるまで数週間かかるうえ、患者のほぼ半数でしか効果を示さない。

今回のプロジェクトはNEWMOODと呼ばれ、新しい薬剤標的を見つけ、診断を容易にし、うつ病の原因の解明を進めることをヒらっており、
世界中で1億2千万人にも及ぶうつ病患者を助けるものになるだろう。

気分は上向き

このプロジェクトでは、この病気に関わる遺伝子の探索が、
うつ病のマウスおよびラットモデル、それにヒトで行われることになっている。

げっ歯類動物でも、長期にわたってストレスがかかると人間の場合に似たうつの症状を示すことがあるとDeakinは述べている。
うつ状態になった動物は喜びの感情を失い、ただの水より砂糖水の方を好んで飲むということもなくなる。
あきらめやすくなり、尻尾を持って吊されたりしても、もがくのをすぐに止めてしまう。

このプロジェクトでは、うつ病に関連している可能性がある遺伝子で、代謝、成長、細胞間の連絡に影響を及ぼすものなどを含む800個を搭載したマイクロチップが作られることになっている。
このチップを使えば、健康な時とうつ状態にある時の動物と人間で、どういう遺伝子が活性化されているかを調べることができる。

Deakinは、「こういう分子がどんなものかはまったくわからないが、うつ病に関係している遺伝子が芋蔓式に出てくるのを一網打尽にできるのではないかと期待している」と語っている。
うつ病関連遺伝子が見つかったら、遺伝子操作を加えたマウスでその活性を変化させて影響を調べようというわけだ。

今回の研究はうつ病の動物モデルを改良することにつながると考えられ、そうなれば新しい治療法の検証に役立つだろう。

うつ病は遺伝的な要因と環境要因の両方によって引きおこされると考えられている。
遺伝的にうつ病にかかりやすい傾向のある人では、長期にわたる病気とか死別のような慢性的なストレスが病気の引き金となるのかもしれない。
薬剤療法に加えて、カウンセリングと心理療法も一般に使われている。

NEWMOODにはヨーロッパ連合から730万ユーロの基金が提供されている。
プロジェクトは今後5年間にわたって、13の研究所で行われる予定である。

(Helen R. Pilcher)



●謝辞

このニュースはOrbiumさんの記事,「鬱の遺伝子を解析して新薬開発」で知りました。
ありがとうございました。

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