2007年05月04日

【たまには近況報告】2007年5月 〜 本の紹介

【たまには近況報告】2007年5月 〜 本の紹介

ゴールデンウィークは9連休,
実家でゆっくりのんびり,英気を養いました。
そろそろ,東京へと戻ります。

さて,実家での休養の締めくくりは,前回予告していた更新です。
今回は主に本の紹介。
そして,その中で特に印象に残った言葉など。


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●『テレキネシス』
テレキネシス山手テレビキネマ室 2 (2)


じわ〜っと温まる,渋くていい味を出しているマンガ。
主人公は,大手テレビ局の「キネマ室」という隙間部署(?)に
勤めていて,毎週,1本の映画にまつわるエピソードが紹介されていく。
  *
「人生が理不尽だと理解できる。
希望をかなえるためには,失敗や恥を
たくさん経験しなくちゃいけないことがわかる。」
(第2巻161~162ページ)


随所にちりばめられる至言,
心温まるエピソード。

  *

ぼくはこのマンガの第2巻を,
3月の卒業論文発表会の日に読んでいた。

みんな立派に卒論を仕上げて,
晴れ晴れと次のステップへと卒業していく。

自分だけ,取り残されていくような,
なんともやりきれない気持ちだった。

その負の感情のフローを,このマンガが吸い取って,
昇華してくれた。

「よし,もう1回,前を向こう!」という気持ちになった。


  *

傷付いたり,やる気・意欲を失ったり,
なんとなく元気が出なかったり。
誰の人生にも,そういう時がある。
誰の人生にも,多かれ少なかれ,理不尽な出来事がやって来る。

そんな時は,このマンガを読もう。
じわっと,元気出るよ。


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●白倉正子『私の人生は「トイレ」から始まった!』


私の人生は「トイレ」から始まった!


さわやかな読後感の本。

 トイレで起業した女子大生の話

と書いてしまうと,ミもフタも無い
(いや,トイレにはミもフタもある(……失敬))
のだが,

読んでみると,著者の生き方が,
本当にさわやかで,まっすぐ!で,
読む方も,とってもさわやかな気分になれる。

いちばん共感したのは,
「私の原点は「納得した人生を送りたい」こと」のくだり。


(前略)世の中には道理の通らないことや
理屈に合わないことなど,矛盾だらけだ。
それに気付かないフリをしても,
誰からも責められずに無難に生きていけるだろう。

 しかし,「納得して生きる」ことは,
自分の気持ちをごまかさず,真正面に向き合う勇気と,
素直さと,強さが必要になる。
ときには一般常識と反対のことをし,
世間を敵にまわすこともある。
だから肩に力が入りすぎて,損することもしばしばだ。

 しかし私は不器用だから「それでもいいの?」と
七転八倒するしか,生き方を見つけることができなかった。
不満をもらすだけじゃ,人生はおもしろくならない。
単なる自己満足なら,真剣になれない。(後略)
(同書200ペ)


そして最後にも,
著者はさわやかに,こう言い切ってくれる。

「自分らしい仕事,したほうがいいじゃん!」

本当に,スカッとした生き方をしていて,
読んでいてガンガンそれが伝わって来て,
もちろんその分,苦労も多いのだろうけれど,
こんな元気な人が世の中にいるんだなぁ,と思うのである。


*参考URL:
 ・アントイレプランナー公式HP(白倉正子)
   http://entoiletplanner.com/(著者公式HP)
 ・ イノベーティブワン:アントイレプランナー 白倉正子 氏
   http://www.innovative.jp/interview/2005/0406.php(インタビュー)

著者の公式HPを見ると,現在どんな様子なのか,わからないのだが……
知りたい。


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●カイパパ『ぼくらの発達障害者支援法』
ぼくらの発達障害者支援法


このブログでも,何度となく紹介してきた,
カイパパさんの本。
実はずっと積ん読になったままだったものを,先日,ようやく初読。

タイトルの「ぼくらの」が,
この本の全てを象徴していると思った。

2004年12月に成立した「発達障害者支援法」を,
「ぼくらの」ものにしていこう!
という,ポジティブな提案,そして,そのためのツールの提供。

構成も,すごく整理されていて,わかりやすい/使いやすい。

「自閉症?う〜ん,私には関係ないかも」と思う人は多いだろう。
でも,当事者(自閉症者やその家族)だけでなく,
学校の先生や,地域の支援者,福祉に興味がある人,
いろんな人に読んでもらいたいなーと,
読んで,そう思うようになった。

そんな,アツさとあたたかさに溢れ,
かつ,情に流されず,確かなクールさ・知性も詰まった本。

カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル:『ぼくらの発達障害者支援法』への感想コメント集にトラックバック!

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●村上龍『誰にでもできる恋愛』
誰にでもできる恋愛


入院中から実家での療養中にかけては,
村上龍の著作(最近のもの)を追いかけていた。

これからの時代はどうなるのか,
マスコミとかは,不安を煽るけど,本当のところはどうなのか,
きちんと,知りたい。

そういう思いで,
『希望の国のエクソダス』
『最後の家族』
『蔓延する偽りの希望』
などを必死に読みあさっていた。

その中で出会った1冊の,15ページの言葉。

わたしたちのあらゆる努力は,
よりすばらしい他者と出会う可能性を高めるためにある。


シンプルだが,いい命題だ。

この言葉を信じることで,
シンプルに,タフに生きられるようになる気がした。
前向きに努力をしたくなった。

最初読んだ時は,「ん?そうかぁ?」と,
あまり賛同できなかったのだけれど,
なぜか,時間が経つごとにジワジワ効いてきて,
今回帰省して,必死にこの箇所を探していた。


『すべての男は消耗品である Vol.4』のサブタイトル,

 「(1)死なないこと (2)楽しむこと (3)世界を知ること」

も,これまたシンプルでなかなかいい。

ジム・ロジャーズという冒険家/投資家の言葉らしい。
(参照記事;ほぼ週刊イケヤ新聞・編集長日記ブログ
 「 最も大事なことは、殺されないようにすること、二番目が人生を楽しむこと……ジム・ロジャーズ」


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以上4点でした。
読んだ順番の順にはなっていません。てきとうに列挙しました。

自分の読んでいる本を振り返ると,
自分のいま考えていること,気になっていることの傾向が
よくわかります。


次回の更新は未定です。
それではみなさん,次回の更新まで,
サヨナラ,サヨナラ,サヨナラ……