でけたー!
「足長おじさん」こと,リン脂質です。細胞膜の構成成分。
基本的には,セッケン系です。
我々の細胞を仕切っている膜は,
このリン脂質が2重に並んだ,「脂質二重層」というものでできているのだ。
(追記:こんな感じ)
まぁようは,
シャボン玉の膜がちょっと分厚くて丈夫にできてる,と思いねぇ。
コリンとリン酸のくっついた「頭」に,
グリセリンの「胴体」,
そして油の「足」が2本。
足のうち一本は,折れ曲がっている。
これは,C−Cの二重結合(シス型)があるから。
(他のまっすぐな部分は,みんなC−Cの一重結合)
この折れ曲がりによって,
リン脂質同士のすきまが大きくなり,分子間力が小さくなる。
すると,結合が弱くなるので,
リン脂質の集合は,固まりにくくなる。
細胞膜がラードやマーガリンみたいに固まってしまうと,
細胞としては非常に困る。
ドロドロでもタラタラでもなくて,
ちょうどいい具合のねばりぐあいであることが,必要なのだ。
だから細胞は,このリン脂質の足をその都度取り換えて,
「折れ曲がり度」を調整することで,
リン脂質の密度を調整し,
常に,細胞膜の適度な粘性を保っているのだ。
まことに,うまくてできているのであった。 続きを読む