
ただ、ふらふらと?酔いどれドクター最後の日誌
昨日,本屋で,作家の永井明さんが亡くなられていたことを知った。
「最後のエッセイ集」というオビの言葉に,慌てて奥付をめくり,
「2004年7月7日逝去」という文字を見た時,
なんだか体から力が抜けて,へなへなとその場に座り込みそうになってしまった。
あんな感覚は初めてだった。
ぼくは今まで,幸か不幸か,
〈本当に親しい人の死〉というものに遭遇したことがない。
でも,もしそういう誰かを失ったとしたら,
きっとこんな感じ(がもっと強く)襲ってくるのだな,と感じた。
(どうもぼくはそれに耐えられる自信がないのだが…)
そして,それくらい永井明さんを,ぼくは大好きだったのだと気付いた。
彼は10年間,内科の勤務医を続けた後,
医師業を続けることに耐えきれず,医師であることをやめてしまった人である。
たぶん,医師を続けるには,彼は自分に正直過ぎたのだろう。
自分をだますことができなかった。
軟弱,と言えばそうなのかもしれない。
でも,彼は,確かに軟弱だったけれども,とても真摯な人だったのだとぼくは思う。
そして医師をやめた後も,
結局はそこから目を背けることができず(せず?),
現在の医療が抱える様々な問題をじっと見つめ,考え続けた。
(そういう意味では,彼は医師をやめた後も,医師であり続けた)
人はいずれ死ぬ。遅いか,早いかだけだ。
〈誰の元にもいつか必ず訪れる〉という点で,死は平等である。
しかしそんなことを知っていても,
悲しみは消えない。
というわけでぼくは今,
彼の書き残した最後のエッセイを読んでいる。
こういう表現はあまり好きではないのだけれど,
ご冥福を,お祈りする。