2004年12月21日

えぞ菊のスペシャルラーメン〜ある男の激闘の記録

■えぞ菊のスペシャルラーメン〜ある男の激闘の記録

昨日,更新を休止すると書いた。
しかし,これはどうしても書いておかずばなるまい。

これはある男と,ある一杯の巨大な拉麺との,激闘の記録である。


    * * *


ある晩,男は食事に出た。

行き先は行きつけの店,えぞ菊

男は,いつものように味噌ラーメンを頼むつもりだった。

しかし,─ 「魔が差す」ということがあるとすれば,まさのあの瞬間のことを言うのであろう ─
男が注文したのはその,なぜかその横にある
「スペシャルラーメン 麺,メンマ,チャーシュー,もやし大盛 1100円」
だった。

「腹減ったなー。ん?味噌とスペシャルって,250円しか違わないんじゃん」

思いきり,計算を間違えている。

これが,思わぬ闘いへの分かれ道になろうとは,夢にも思わない男であった。

店員のキビキビとした気持ちの良い動きを眺めながら,
待つこと10分ほど。

敵は眼前にその姿を現した。

「な,なんだ,この〈山〉は……」

そこには,まさに,〈山〉があった。
〈山〉の表面は,大量のメンマとチャーシューですっかり覆われていた。
その下からは,溢れんばかりの狡猾そうなモヤシたちが,こちらの様子を窺っている。
麺は,巨大な丼の奥深くに沈み込み,姿は見えない。

男は一瞬,たじろいだ。

「このまま猛ダッシュでトンズラをかけようか」という考えや,
自分のケイタイにカメラが付いていないことへの後悔,
様々な想いが,男の脳内を駆け巡った。

しかし,男は,決断した。

男は決して闘いを好まない。
どちらかと言えば,普段は物静かな方である。

しかし,ふりかかる火の粉は,払わねばならない。
挑まれた勝負は,受けて立たねばならない。

「負けられない。これは,〈勝負〉だ」,男は思った。

そして決意を固めると,
目の前の敵に向かって正対し,
一心不乱に敵を殲滅にかかった。

まずは,外側のメンマを片っ端から片付けていく。

…。
なかなか,減らない。
こんなに食べたら,体が竹になってしまいそうな量である。

メンマへの攻撃を続けつつ,
下のモヤシにも攻撃を仕掛ける。

モヤシも,これまたスーパーで売っている小袋ゆうに2袋分はありそうな量である。

「手強いな」,男は思った。
しかし,負けるわけにはいかないのだ。
たとえこの胃袋朽ち果てようとも,負けるわけにはいかない。

なにが男をそうまでさせるのか,わからなかったが,
とにかくそう思っていた。

麺は,まだ見えない…。
(長いので,中略。)



どれくらいの時間が経ったのだろう。

気が付くと丼のこんもり山は姿を消し,
敵は,味噌スープの上にわずかにモヤシの残党を残すのみとなっていた…。

「勝った」

心の中でニヤリとほくそ笑む。

しかしここで気を緩めるわけにはいかない。
スープを飲み干し,完全に敵を殲滅するまでは,真の勝利とは言えないのである。

限界の悲鳴をあげている胃からの警報音を無視しながら,
男はスープを一気に流し込んだ。


勝った!ついに勝った!

やったのである。吾が軍の勝利だ。

思えば理不尽な闘いだった。
なにしろ,奇襲攻撃だったのだから。

平穏な毎日に突如襲ってきた,理不尽なまでの量の,一杯の拉麺。
しかし男はその奇襲を,見事退けた。

再び,平穏な日常が戻ってきた。そう,戻ってきた!

男はおもむろに千円札を取り出し,スタンプカードに判を押してもらうと,
静かに店を後にした…。


こうして,決して歴史に残らないであろう,
ある男の激闘の記録は,幕を閉じたのである。

(完)




く,くるしい。うへー。おなかポンポン。

あ,ちなみに1100円なのに1000円しか払ってないのは,
決して食い逃げではなくて,学割で100円引きだったからです。悪しからず。


なんか最近,こんなのばかりだなぁ…(^^;)。
昔は,もっとマジメなブログだったんですが…(^^;)(^^;)。



【謝辞】(05.2.23追記)
この記事は,言戯のそんちょさん(現・寿さん)の文体に影響を受けて書きました。

ということで,2月23日の記事,「特盛りの悪夢再び。」に向けてトラックバックさせていただきます!

寿さん,ひとりで食べれば,誰にも迷惑はかかりませんよ。
その代わり……さびしいですけど!!!!(;_;)

人恋しい今日この頃。

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この記事へのコメント
おつかれさまです〜(^^)
そして、勝利にオメデトウです☆

>なんか最近,こんなのばかりだなぁ…(^^;)。
>昔は,もっとマジメなブログだったんですが…(^^;)(^^;)。

いやいや。
思い切り笑わせてもらいました。
楽しい時間、もらったので、オッケーではないでしょか(^-^)/
Posted by yuriring at 2004年12月21日 22:29
yuriringさん,コメントありがとうございます(^^)。
さいわい,今日起きたらもたれたりはしていませんでした。
うっし,これぞ若さの勝利!(ホントか(^^;)?)

>思い切り笑わせてもらいました。
>楽しい時間、もらったので、オッケーではないでしょか(^-^)/

あ,そうすか。アリですか。やった(^^)。
Posted by ガンジー at 2004年12月22日 08:05
サイコーだ!
すんごくおんもしろい!
声出して笑っちゃいました。
表現が,うまいよね〜
うなりながら笑いました(^^ゞ
スバラシイ
また書いてください。
Posted by いくちん at 2004年12月23日 11:13
いくちんさん,コメントありがとうございます(^^)。

>サイコーだ!
>すんごくおんもしろい!
> 声出して笑っちゃいました。
>表現が,うまいよね〜
>うなりながら笑いました(^^ゞ
>スバラシイ

おろ,意外と好評ですね。ありがとうございます(^^;)。

>また書いてください。

いえ,ラーメンはもう当分いいです…(^^;)
Posted by ガンジー at 2004年12月23日 20:58
こうなるとあれですよね、
「男」ではなく「漢」って感じですよね。

ガンジー君、あなたは漢です。

笑いながら、ちょっと感動しました(^^
僕もこういうのけっこう好きなのでいいなぁと思いました。
Posted by こいけ at 2004年12月23日 23:16
こいけさん,コメントありがとうございます。
淡路島に行っていて,返信が遅れました。

なんか予想外の反響で,驚いています(^^;)。
でもうれしいです。ありがとうございます(^^)。
Posted by ガンジー at 2004年12月29日 23:20
トラックバックありがとうございました。
「言戯」の寿です。

いや、笑いました。
私だったら、目の前にそんなものが置かれた瞬間、戦意喪失。
無条件降伏ですよ。

1,100円のところ、1,300円置いて立ち去りますよ。
お札の裏に

「ごめんなさい。」

と残しますよ。

完食したというのはスバラシイ。
ガンジーさんのストマックに乾杯。
Posted by 寿 at 2005年02月23日 09:04
寿さん,コメントありがとうございます(^^)。

>ガンジーさんのストマックに乾杯。

ははは(^^;)。あれ以来,おとなしくいつもの味噌ラーメンを注文しております(^^;)。
Posted by ガンジー at 2005年02月23日 22:49